■来世は他人がいい(1~4巻)
■小西明日翔
■アフタヌーンコミックス(講談社)
既刊4巻(連載中)
関西極道・染井組で育った染井吉乃は
突然婚約者となった深山霧島と関東の極道・深山一家で暮らすことになる。
眉目秀麗の霧島だったが、その仮面は長くは続かなかった。
霧島の本性は他人に興味がなく、自分の人生すらめちゃくちゃに破壊してしまいたい衝動を持つ危険人物だった・・・。
極道の世界が舞台で、
その極道の家で育った二人が物語の中心です。
2人とも高校生ですが、
吉乃は美人だけどホステスみたいだし、
なるべく普通でいようとはするけど、やっぱり肝の据わり方は違うし、すんごい啖呵を切る。
霧島は本当にヤバくて、背中に墨入っているし、殴られても笑ってるし、
相手をつぶすつもりで殴り続けるし、
女遊びも派手だし。
んー、その道の世界のことはよく知りませんが、
おそらく、これはファンタジーです。
でも、吉乃も霧島もかっこいいし、
吉乃と兄弟のように育った翔真もかっこよくて(やっぱり墨入っているけど・・・)
無口だけど吉乃命!!な感じがダダモレで尊さ半端ない・・・。
ストーリーは、楽しい高校生活なんてのはほぼ皆無で
(一応高校には通っていますが)
吉乃と霧島の周りで起こる、極道がらみの事件を軸にして展開していきます。
なかなかね、暴力的な場面も多いですが、
筋を通してなるべく犠牲を少なく解決しようとする吉乃に対して
恐ろしいほど冷たく、暴力的に解決しようとする霧島。
その霧島にブチ切れる吉乃に、
吉乃を守ろうとする翔真。
正直、おもしろいです(笑)
非日常だからこその面白さでしょうか。
あと、小西先生独特の絵のタッチ。
線がものすごく圧が強いというか。
暴力性が表現されているけど、なんかかっこいいんですよね。
なんていえばいいんだろう・・・熱いけど暑苦しくない・・という感じかな。
情で動く吉乃は熱いんだけど
それを上回る霧島の冷酷さが表現されているというか。
すごく、作品にはまっているタッチです。
いや、絵に作品がはまっているのかも。
また、現在単行本は4巻まで刊行、連載中の作品ですが、
気になるポイントが多すぎる作品でもあります。
まず、霧島と吉乃の恋の行方。
なぜか、霧島は吉乃に惚れちゃってるんですよね。
自分と向き合えるくらいめちゃくちゃな女は吉乃しかいないし、
吉乃と向き合えるのも自分だけだ、と。
当の吉乃の方はまったく恋愛感情なし。
だけど、タイトルが「来世は他人がいい」ですよ?
想像がふくらむじゃないですか(笑)
翔真の存在もあるし、楽しみで仕方ありません。
それと、なぜ二人が婚約することになったのか。
そもそも、親(組)の都合で婚約することになった二人です。
表向きは「両組織の和睦のため」ですが、
どうもそれだけではなさそうな雰囲気。
2人は極道の世界に否応なく巻き込まれていくはず・・・。
この作品には
「二人は底辺」という、翔真と吉乃の出会いを描いた番外編があります。
こちらを読んじゃうとですね、
翔真×吉乃で応援したくなっちゃうんです・・・!!
でも、霧島の狂気に満ちた吉乃への偏愛っぷりも
ストーリーが進むにつれてかわいく思えてくるし・・!!
1巻の時点では想像してなかったですが
これはなかなかキュンキュンする作品です。
暴力的な男の子や口の悪い女の子に抵抗のない方は、ぜひ読んでみてください!