■この愛は、異端。(既刊3巻)
■森山絵凪
■ヤングアニマルコミック(白泉社)
(おおざっぱなあらすじ)——————–
特別な美しい魂を持つ少女・淑乃と
その魂を欲する悪魔、べリアル(バアル)の物語。
その魂の特別さゆえに、それこそ胎児の頃から
悪魔や魑魅魍魎の類に狙われ、不幸にも天涯孤独となった淑乃。
人生に絶望した淑乃は13歳の時に、古本屋で見つけた1冊の本から悪魔を呼び出してしまう。
呼び出した悪魔・べリアルの提案で淑乃はべリアルと契約を結び、
共に暮らすことになるのだが、
それには定期的に対価が必要で・・・。
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悪魔と、それに魅入られた少女という設定は
定番といえば定番だけど、
「この愛は、異端。」の淑乃とベリアルは、なんというか
耽美で歪な関係ではあるけど
小悪魔に振り回される年上彼氏・・?みたいな、
ちょっと別の意味で歪な関係を築いています。
作品そのものには、ダークな雰囲気が常に流れているのですが
べリアルはストーカー並みに粘着質だし、
下ネタが激しすぎるし、
過保護だし、
淑乃もベリアルに慣れ過ぎてるせいか、
まったく怖がらないし、
むしろ甘えたい放題だし、
掃除させるしご飯作らせるし洗濯させるし、怖い映画みたからって添い寝させるし・・・。
淑乃は割と幸せそうな時間を過ごしています。
相手が悪魔ってだけで、
ただのラブラブカップルですよ・・・ゴチソウサマ。
とはいえ。
やはり悪魔と契約するという禁忌を犯しているので
暗くて重たい現実を背負って生きているんですけどね・・・
淑乃は
「ベリアルがほしいのは私の魂と体だけ、心は望まれていない」
と考え、ベリアルの優しさは偽りだと自分に言い聞かせます。
それでもベリアルから離れられない自分自身に苦しむし、
またベリアルも、淑乃の魂を手に入れたいけど
「かわしい淑乃」を守っていたい・・・。
やはり人間と悪魔、すんなりとコトは運ばないのです。
3巻ではベリアルと淑乃の出会い(淑乃新生児時代・・・)が描かれていて、
ベリアルの淑乃に対する想いの謎が解けていきます。
ベリアル・・・お前いいやつやな・・・とベリアル株急上昇。
そして、まあ、色々ありまして、
人間として、悪魔としてはバッドエンドだけど、
二人にとってはハッピーエンドを迎えます。
3巻で1部は完結、ということで一旦は物語は決着しています。
が、4巻以降の予定もあるらしく、
私としてはとても楽しみに待っているのですが・・・
森山絵凪先生のツイッターを見ると「第2部はそのうちスタート」とあるので
まだまだ先かな・・・
再開を激しく望みます!